劉備の死後の蜀漢政権における諸葛亮の支配と益州豪族との関係に焦点をあて貴族制の源流たる「名士」諸葛亮の支配の特質を探った。その結果、様々な経済的な施策とともに、自己の「名士」集団に益州豪族層を組み入れることにより、自己の勢力基盤を拡大するという支配を諸葛亮が行っていることを解明し、三国時代に特有な支配の在り方を論証した。
『史境』18,1989年3月,70~86頁