外戚の権力行使形態は、皇太后権に基づく擬似皇帝権力である。その際、外戚の権力の正当性を保証するものとして儒教が存在する。ことに『白虎通』に規定された嫡妻権が、外戚の存在の正当性となっていることを論証した。外戚の与政はこうした儒教的正当性を有しているので、儒教的官僚は、外戚が国政を公的に運用する限りにおいて、それを容認せざるをえなかったのである。
『史峯』5,1990年12月,1~34頁