「名士」層の成立過程を実証的に論証することに主眼を置いた論考。党錮事件における「党人」の一人一人を精査することより、党錮事件の特質を明らかにし国家とは別の自律的秩序を有する「名士」層が、後漢末の党錮事件を重要な契機として成立したことを解明し、それが三国時代に皇帝権力との関わりの中から、貴族の源流となっていくことを解明した。
『史峯』6,1991年12月,1~30頁