魏晋における四分分類の成立は、「史」部の自立に起因する。魏晋期に流行した人物評伝である別伝は、人物評価を有利にするための偏向が多くみられた。帝王の歴史としての史書ではない別伝に対しては、史料批判が可能であったため、ここに史学は経学とは異なる方法論を確立し「史」部の自立を促したのである。
『史学雑誌』112-4,2003年4月,1~25頁