中国の貴族制は、西欧のそれの如く所有を根源的な存立基盤とはしない。所有という経済的価値を文化資本に転化することにより、社会における卓越性をもつに至った存在なのである。その文化は儒教を中核としながら、四學三教に兼通ことを重視するもので、六朝文化を開花させたものは、かかる貴族の文化の専有を存立基盤とするあり方だったのである。
『中国-社会と文化』18,2003年6月,120~135頁