渡邉義浩 学術論文 中国史

三国時代における「公」と「私」

曹丕は漢魏革命にあたって尭舜革命を典範とし、『礼記』礼運の「天下爲公」という概念により、自己の支配を正統化した。後漢「儒教国家」が『春秋』公羊伝を中心に漢の支配を絶対的に正統化していたことに比べると、自己が「公」より「私」へと転化した時、革命を許容する論理を内包する「天下爲公」は、相対的な正統論であった。

『日本中国学会報』55,2003年10月,15~28頁

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