渡邉義浩 学術論文 中国史

浮き草の貴公子 何晏

曹操の養子として宮中に育ち、文学・哲学に図抜けた才能を持つ何晏は、曹丕に圧迫されて沈潜していたが、曹爽政権において重用される。何晏は、玄学という新たな価値観による人事を行い、老子を典拠とする中央集権化を推進したが、司馬懿のクーデタにより打倒された。今日伝わる何晏の像には、司馬氏派による偏向が含まれている。

『大久保隆郎教授退官紀念論集 漢意とは何か』東方書店,2001年12月,253~272頁

◆ もどる