渡邉義浩 学術論文 中国史

杜預の左傳癖と西晉の正統性

杜預の『春秋左氏經傳集解』は、杜預の生きた西晉の正統化を強く意識して書かれた注釈書であった。漢を正統化していた公羊傳と孔子に代わって、周公が残したとする左傳の義例をつくりあげ、無道な君主は弑殺してもよいとして、司馬昭の、ひいては西晉の正統性を『春秋左氏經傳集解』により明らかにしたのである。

『六朝学術学会報』6,2005年3月,1~13頁

◆ もどる